ヘルペスはウイルス性の性病なのでアジスロマインは効果なし!

2019年09月11日
黄色のカプセルと葉

性器や肛門周辺に水疱が多発して、ピリピリした痛みを自覚するのが性器ヘルペスの典型的な症状です。原因となるヘルペスウイルス(HSV)には発症しやすい部位に応じて、大きく分けて2種類あることが知られています。症状が出やすい部位だけでなく、感染経路にも違いがみられます。HSV1型は口腔粘膜や口唇・顔面の皮膚下をはしっている三叉神経などで活性化し、しばしば口唇ヘルペスの症状を呈します。おもに感冒罹患時や疲労蓄積など免疫力が低下したときに、くちびる周辺に水疱は発生し、かゆみや痛みを伴うのが特徴です。HSV1型はおもに年少時に両親の唾液に含まれるウイルスが移行することで感染することが多く、初回感染時は無症状で経過することもありますが、思春期以後の年齢で初めて水疱などが口唇ヘルペスとして出現することも珍しくありません。これに対してヘルペスウイルス2型(HSV2型)は、思春期以降の性行為をきっかけに感染するのが一般的で性病のひとつと認識されています。初回感染時には水疱が多発し、自壊し潰瘍などになり、強い痛みが出現する傾向があり発熱するなど全身症状に及ぶこともあるなど、重症化しやすい特徴があります。性器ヘルペスは再発を繰り返す傾向がありますが、症状は再発時のほうが軽くすむことが多く、かゆみや軽い痛みや患部となる性器の違和感などの前駆症状が見られます。性病のカテゴリーで言えば、淋病やクラミジアなどの代表的な性感染症治療薬のアジスロマイシンなどが効果を有するようにも思えます。しかしアジスロマイシンをはじめとする抗生物質は、口唇ヘルペスも性器ヘルペスにも効果を期待できません。アジスロマイシンをはじめとする抗生物質は、細菌を原因病原体とする性病の治療を前提にした薬だからです。細菌類は自立して成長や増殖を繰り返すメカニズムを備えています。人体の栄養源を摂取し体内でたんぱく質を合成して増殖を繰り返すことが出来ます。抗生物質はこの成長メカニズムに着目し、細菌が成長し繁殖する途中の過程のいずれかに関与し抗菌作用を発揮します。これに対してヘルペスウイルスなどのウイルスは宿主の細胞に寄生して、DNAを宿主の細胞に複写することで初めて増殖が可能になります。つまり生物として根本的に異なる機序を備えているので、抗生物質が効果をもたらすことは出来ないわけです。ウイルス性感染症に抗生物質は無効なばかりか、耐性菌のリスクも高めるので使用は控える必要があります。